Zen

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鏡の中に私がいる
私の目に私がうつる
怒ったときでも悲しいときでも
自然ににこにこしてくる
鏡の中の私が
私になにか話しかけてくる
すると私はすなおになる
鏡の中の私が私をすなおにするのでは
なく
私が鏡の中の私をすなおにするように
なる
鏡の中に私がいる
私の中に私がいる

 坐禅の「坐」の文字は、土の上に二人の自分がいる状態をいう。この二人は別人ではなく、同一人物の“心”の様である。一人は「変化する自分」人間の心の様である『自我』、もう一人はそれをじっと見ている自分・・・人間の本性の『自己』の象徴。坐禅とは、『自我』と『自己』の対話に他ならない。
只管打坐していると自分の本質が見えてくる。自我と自己の対話が頻繁になされる人、つまり反省と研鑽を重ねる人は豊かな人生が送れるが、自我むき出しで自己との対話を怠る人は貧しい人生を送ることになるだろう。
いま自分がいまここに生をうけている不思議を知る。おかげさまの命を思うと、自分に出来ることは何でもしていくという気持ちになっていける。
21世紀は変化の時代。まずは自分を無にして、世の中の動きを自然に受け入れよう。坐って、息(余計なもの、こだわり)を吐いて吐いて吐き切り、無我の状態に自分を導く。そうすると自分のカラのコップに知恵・勇気が自然に入って来る。それが『自己を学ぶ』ことではないか。それを磨くことが『自己を極める』ことではないか。